庭仕事の合間にこんなランチはいかが?

5月に入ってようやく気温が10度を上回るようになりました。庭仕事のシーズンの始まりです。うちは5軒続きの長屋に住んでいて、各戸にはそれぞれ小さな裏庭がついています。小さな庭ですが、やることはいっぱいあります。まずは冬の間にはびこった雑草取りから。そしてこんな庭仕事の合間のランチは、雑草と一緒に庭で採ったイラクサのスープNässlorsoppaとタンポポの葉のサラダMaskrossallad、そしてクネッケknäckebrödです。

イラクサのスープは、スウェーデンの春の定番料理の一つです。イラクサは、庭の隅などに群生しており、ビタミンABCや鉄分が豊富で、マグネシウムやカリウムなどのミネラルも含んでいます。採ったイラクサは、5分ほど茹でて細かく刻んでおきます。鍋にバターを入れて熱し、みじん切りにした玉ねぎとにんにくを炒め、さらに小麦粉を加えて炒め、イラクサの茹で汁にブイヨンを溶かしたもので延ばします。ここに刻んだイラクサを混ぜて、数分煮たら出来上がりです。茹で卵と一緒に食べると、とてもよく合います。

タンポポは繁殖力が強く、根まで取ってしまわないとまたすぐ出てくる、雑草としてはやっかいなやつですが、葉、茎、根まで全部食べることができます。根にはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、コレステロールや血圧の低下、消化不良の改善などに効果があるそうで、主にお茶に使われます。葉はむくみの改善、痛風や関節炎の改善などに効果があるそうで、サラダや天ぷら、ソテーやおひたしにして食べます。サラダは、タンポポの苦味が一番出る食べ方ですが、この苦味が結構クセになる味なんです。今日は、クルミとブロッコリ、ミニトマトを合わせて食べましたが、いかにも春の味という感じで美味しかったです。

クネッケは、ライ麦の全粒粉と塩と水でできた平たくて乾いたクラッカーのようなパンで、北欧各国でよく見かけます。長期保存ができるため、その昔はバイキングたちが長い航海中に主食としていたそうです。今では、低カロリーで食物繊維が豊富な健康食品として人気があり、私が勤めていた会社の食堂にも他のパンと一緒に必ず置いてありました。ぱっと見は味がなくモサモサしているように見えるため、私も長い間食わず嫌いで敬遠していましたが、実際に食べるとパリッとした薄い塩味がクセになって、ついまた手を伸ばしてしまいます。

「うちの暮らしはついに庭の草を食べるところまで落ちてしまった」と娘は嘆いていますが、lagomな暮らしにはこれも十分ありではないかと思っています。うちはみんな、ベジタリアンでもビーガンでもありませんが、BBQシーズンを迎えて肉をガッツリ食らう機会が増えるこれからの季節、時にはこういったヘルシーなランチで食生活にメリハリをつけるのもいいかもしれません。それに、たしかに断然安いですから。



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