Pulken自然保護区に鶴を見にいきました

Kristianstadの南にあるPulken自然保護区に、春になって南ヨーロッパから北上してくる鶴を見にいきました。Malmöから100km、高速を使って車で一時間少しのところにあります。
http://www.vattenriket.kristianstad.se/plats/pulken.php

冬の間を南スペインや北アフリカで過ごした鶴は、春になるとフランス、ドイツを越えてヨーロッパを北上し、バルト海を渡ってスウェーデンやフィンランドの繁殖地に至る長い旅に出ます。多くの鶴たちは、北ドイツのRügen Bock湿地帯でいったん休憩した後、バルト海を越えて最終目的地のスウェーデンに向かいます。南スウェーデンにある
Pulken自然保護区は、バルト海越えで疲れた鶴たちが、終着点の北スウェーデンを目指す前に一息ついて体力を回復するのにちょうどよい位置にあります。ここには、狐に襲われる心配をせずにゆっくり寝られる広い湿地帯があります(鶴は夜の間、水の中に立ったまま寝ます)。そして、湿地帯に隣接した広い空き地では、近郊の農家の人たちが鶴のためにエサを撒いています。これは、種を蒔いたばかりの耕作地を鶴に荒らされないためでもあるのですが、鶴たちは安全な場所でゆっくり食事をすることができます。つまりPulkenは、鶴たちにとっていわば最高のB&Bなのです。このため、彼らがここを通過する三月末から四月上旬にかけて、毎日5000羽ほど、多い日には8000羽を超える鶴が訪れます。


私達が行った日は、あいにく一日中霧がかかっていて晴れ間が見られませんでしたが、多くの鶴たちが羽を休めているのを見ることができました。ボランティアの人たちが望遠レンズを覗かせてくれると、頭頂の赤い色がはっきり見えました。昼時だったので腹は減っていないようで、あまり飛び回ってはいませんでしたが、時折いわゆる鶴のダンスと言われる、羽を広げたり、身体をよじったりする仕草を見せてくれました。これは、繁殖期前の求愛の意味もあるようですが、家族の絆を深めるという意味もあるそうです。でも中には、パートナーのダンスを横目に、「はい、はい、しつこいわね」と言わんばかりに、さっさと離れていってしまう奴もいて、「お前も苦労してるな」と思わず同情してしまう場面もありました。

一年のうちの二~三週間しか見られないこの風景、日本だったら周囲の道路も駐車場も長蛇の列となりそうですが、平日ということもあって車は十台くらい、静かに鶴たちの声を聞きながらゆったりと眺めることができました。入場料や駐車料金、土産物屋や食べ物屋なんてものもなく、みんな持参したコーヒーとサンドイッチか何かを立ったままつまみながら、まだ肌寒い春の日を静かに過ごしていました。

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