春のお祭りPåsk

スウェーデンの春の大きなお祭りにPåskポスクがあります。いわゆるイースター、復活祭です。キリストが十字架に掛けられてから、予言通り三日後に復活したことを祝う祭日です。紀元325年に開かれた世界教会会議で、毎年「春分の後の最初の満月から数えて最初
の日曜日」と決められました。今年は、春分が320日、その後の最初の満月が411日、そこから数えて最初の日曜日の416日がPåskとなります。

スウェーデンでは、Påskの前後金曜から月曜まで休日で、小中高校はPåsk前の一週間も休みとなり、家族や親戚、友人たちが集まって手作りのご馳走を食べながら、長い冬の後の待ちに待った春の訪れ、命の芽吹きをみんなで祝います。Påskのシンボルは、卵。キリストの復活は生命を象徴しており、生命の始まりを象徴する卵が重要な意味を持ちます。このためPåskの食卓には、ゆで卵にいろいろトッピングしたものなど、各種卵料理が並びます。また、卵の殻に綺麗な絵付けをしたPåskäggポスクエッグを作って、互いにプレゼントしたりします。兎もたくさん子供を生むことから豊かな生命の象徴とされ、兎をかたどった置物が卵と一緒にPåskのシンボルとして飾られます。Påsk当日には、紙やプラスチック、チョコレートでできた卵や兎の中にお菓子をいっぱい詰めて、子どもたちにプレゼントします。兎がPåskägg を庭に隠すという言い伝えもあり、前日のうちに大人が庭に隠しておいたPåskäggを子供たちが探すエッグハントや、見つけたPåskäggを割らずに転がすエッグロールという遊びもあります。

最近では日本でも、この時期に卵や兎の飾り付けをして記念セールなどを行うお店が増えてきました。こちらのTVなどでその様子が紹介されると、スウェーデン人たちから「日本でもPåskを祝うんだね」と言われることがあります。でも、ショッピングや外食のお店が客寄せイベントとして祝う日本とは違って、本来は家族や友人たちが集まって自宅で楽しむ手作りの素朴なお祭りです。イースターでもハロウィンでも何でも取り込んでしまう日本の商魂の逞しさ、そしてそれにすぐに乗っかって何でもイベントとして騒いでしまう日本の様子に、なんだか少し恥ずかしくなって返答に窮してしまいます。

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