Plommon 今年も庭のプラムが豊作です
夏休みにはいってブログの更新をサボっていたら、気がついたらもう秋も真っ只中。3ヶ月ぶりの更新は、うちの庭のプラムの話題です。このプラムの木は、12年前にスウェーデンに移ってこのアパートに越してきた時から、小さな庭の真ん中にデンと植わっていました。毎年なんにも世話をしないのに、8月から9月にかけて取り切れないほどたくさんの甘い実をつけて、私達を楽しませてくれます。
数年前、冬の間に不要な枝を剪定するといいとどこかで聞きつけた私が、見た目重視で適当に枝を切ったら、翌年は実どころか葉もつけなくなり、一年中枯れ木のような風体で死にかけたことがありました。でも次の年には葉っぱだけ茂り、さらに次の年には少しだけ実がなって、3年かけて見事に復活してくれました。因みに正しい剪定の仕方を調べてみたら、新芽が出て実がなるのは太い枝から別れて伸びる10cm以下の短い枝(短果枝と呼ぶそうです)なので、こういった枝は切ってはいけないそうです。かわりにその年に長く伸びた枝の先端を1/3くらい切り詰めて、新しい短果枝を出させるようにするのだそうです。また一気に切らずに、数年かけて形を整えるように剪定するのがよいそうです。なるほど、私は太い立派な枝だけ残して短い枝をバシバシ切ったもんなあ、そりゃ死にかけるわ。悪いことしたなあ。
ということで、復活したうちのプラムは今年もまた豊作で、たくさんの甘い実がなりました。ひとつひとつ手で触って熟れ具合を確認しながら取っていきますが、よく熟した実は、軽く引っ張るとすっと枝から離れて、食べ頃だよと教えてくれます。逆に、もう食べ頃かなと思って引っ張ってみても、もう一日待ってみな、もっと美味くなるからと枝にしがみついて頑張る実もあります。こういうやつは取らずに明日まで待ちます。まるで、ひとつひとつの実と話しながら取っていくようです。こうやって熟れ頃を見計らいながら、毎日脚立によじ登って実を取っていきますが、鳥や蜂たちもしっかり食べ頃を吟味しています。彼らもよくわかっていて、私がまだ早いなと思うものには手(口?)を出しません。もう取ってもいいかなと思うものは、たしかに今日は食べ頃でした、お先です、という感じで既に鳥がつついた痕があったり、今まさに蜂がもぐり込んで味見の最中だったりします。まあこれだけ豊作だと、持ってけ泥棒、食い残した分は枝に残しておくから明日またちゃんと食えよ、という気になります。こうやってプラムの実と会話しながら、鳥や蜂たちとシェアしながら、楽しい収穫の日々が続きます。
毎日大きなボールいっぱいのプラムの実が取れますが、今年はうちの奥さんが例年以上にいろいろな種類の使い途に挑戦してくれました。まずは定番のプラムジャムとシロップ。ジャムは、何かのお礼やお土産などで周りの方々に配っていますが、それでも冷蔵庫がいっぱいになるほどあり、もう市販のジャムを買う必要はありません。シロップはお湯で割って、生姜を入れたり、ブランデーを加えたりして飲みます。熱い紅茶に垂らしても美味しいです。風邪をひいたときや寒い日に身体がとても温まります。
次はこれまた定番のプラムケーキ。何枚も焼いて、小分けにして冷凍してあります。ホイップしたクリームを添えて、庭のミントの葉をのせて頂きます。真っ白な小麦粉の代わりに、アーモンドを挽いた粉や、私の血糖値を心配してフルコーンの小麦粉を混ぜて焼いたものもあります。私は、フルコーンの少し素朴な舌触りが結構好きです。
それからプラムのマデラ酒漬け。種を取って半分に切ったプラムの実をポルトガル名産の甘いマデラワインに漬け込んであります。写真のようにバニラを添えてそのまま食べても大人の味で美味しいし、アイスクリームにかければちょっと洒落たデザートになります。うちではプラムケーキにかけたりもします。
いつもこういったプラムの使い途は奥さんに任せっきりで私は食べるばかりですが、今年は自分でプラム酒作りに挑戦してみました。日本なら梅酒と一緒で、焼酎と氷砂糖に漬け込むのですが、スウェーデンの田舎ではそういった漢字のものは見当たりません。なのでホワイトラムとブラウンシュガーで代用してみました。味はまだわかりません。3ヶ月で味見ができ、6ヶ月で飲み頃になるそうなので、時々瓶を揺らしては様子を見ながら、クリスマスに味見するのを楽しみに待っています。
長屋の小さな庭にあるたった1本のプラムの古木ですが、毎年こんなに楽しませてくれます。せめて冬の間にちゃんと剪定して休ませてやらなくては。おっと、数年前もこう思って切りすぎて、あやうく殺しかけたのでした。過ぎたるは及ばざるが如し。今年は控えめにお世話したいと思います。
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